森林浴の効果
森に入ると、 空気が澄んでいるような感覚を覚え、 さわやかなリラックスした気持ちになります。 その効果の源は「フィトンチッド」や「マイナスイオン」などの効果では ないかと言われていましたが、 科学的な根拠はあまり出ていませんでした。 それが最近の研究では、 ガン細胞を防ぐNK(ナチュラルキラー)細胞が増える という結果や、 リラックス効果も実験 から実証されてきています。 体に良いといわれてきた森林浴が 、科学的にも実証されています。
フィトンチッドとは
森林に入ると独特の森のにおいが漂います。 このにおいの正体が、フィトンチッドと言う、森林から発散されている成分です。 人がこのフィットチッドのにおいをかぐと、精神が落ち着き、 リラックスしてくると言われています。
マイナスイオンとは
フィトンチッドと共に森林浴の効果に欠かせない マイナスイオン。 森の中はマイナスイオンに満ちていますので、 森林浴は精神的なリラックス効果が 得られると知られています。 さらに滝や噴水の近くの細かい水しぶきがあるところに マイナスイオンは多いといわれます。確かに滝や噴水には 心をほっとさせるものがあります。
フィトンチッド、マイナスイオン共に 目に見えず、マイナスイオンの効用をうたった あやしげな製品もあるだけに、 本当に体にいいのか といった声もあります。 しかし、 私たちが日々暮らしているような 電化製品に囲まれ、 排気ガス飛び交う世界の空気と、 森の中の空気 どちらが爽快かは明らかだと思います。
科学的にも証明される
独立行政法人森林総合研究所では 森林浴の効果に対する2つの実験が行われました。
- 「森林系環境要素がもたらす人の生理的効果の解明」
- 「森林セラピーの生理的効果の科学的解明」
生理的作用(NK活性)の実験
1の生理的効果は森林浴でNK細胞が活性化するかを 調べた研究で、日本医科大学衛生学公衆衛生学の李 卿(り けい) 氏らが取り組んだ実験です。
実験方法は ストレス状態にある 東京都内大手企業に勤める37〜55才の12名男性社員に、 長野県飯山市の森林散歩道で3日間滞在してもらい、 森林浴の前後にNK細胞の機能が活性化するかを 調べたものです。 結果・1日目26.5%、2日目52.6% もの活性化が見られ、NK活性が増強された という結果が現れました。
森林セラピーの生理的効果
2は森林セラピーの効果について調べた実験で、 (独)森林総合研究所 生理活性チーム長 宮崎良文氏らが 取り組んだ実験です。
実験方法は、
男子大学生12名を、
6名の2群に分けて、
森林部・都市部それぞれに滞在した際の
、生理的状態の測定を行い、
1日目は森林、2日目は都市部というように
班を入れ替えて唾液・血液などを採取し
実験を行ったものです。
結果
- セラピー候補森林において(都市部に比べて)リラックスしたときに高まる副交感神経活動が昂進し、ストレス時に高まる交感神経活動が抑制されること
- セラピー候補森林において、代表的なストレスホルモンである(唾液中)コルチゾール濃度が低下すること
という実験結果が分かりました。
まとめ
この結果により、森林浴を行うと ストレス解消や癌の予防 につながる細胞が 活性化されることが分かりました。 都会の人にとっては自然に触れるのは 大変なことですが、 意識的に公園によるとか、 思い切って休みの日は郊外に出かける などして意識的に緑を 取り入れてみてはいかがでしょうか
また、私個人の感想としては、 この森林浴の効果から 自然環境を大切にする という心構えが さらに高まってくることを 願っています。